医学部6年生 Cleveland Clinic 臨床実習を終えて No.1
 
アメリカ実習を終えて
1MD06009Y 岩切光未
 
クリーブランドから帰国後、もう二週間が過ぎた。充実した研修ができ、お世話になった全ての方々に感謝したい。ありがとうございます。
 さて、この研修を通して、私は成長できただろうか。帰国後はすぐに病棟実習やマッチングの準備に追われ、じっくりと考える時間はなかったが、これを機に、私の3週間強のクリーブランド実習を振り返ってみようと思う。
 アメリカへは初上陸だった私。今まで割と海外旅行はしてきた方だが、いざ病棟で英語での実習となると、当然、緊張した。アメリカでは自分から行かないと何もさせてもらえないとの前評判と、飛行機の荷物遅延により、初日にしては心もとない身軽さでの初顔合わせ。しかし、その心配とは裏腹に、病院内はかなりウェルカムな雰囲気で、 嬉しい拍子抜けとともに私たちの実習が始まった。
 実習の目的は、アメリカでの脳死移植を見学し、学習することだった。基本的に毎日朝の回診に参加し、午後は外来や手術見学をするという流れで過ごした。見学した移植は三例で、一例は飛行機での臓器摘出にも参加させて頂き、非常に貴重な経験ができた。その他実習内容については、写真にのせているので、ここでは割愛したい。
 さて、三週間を通して、感じたことをいくつか挙げようと思う。まず、個人的に感じたのが、最先端たるアメリカの医療を支えるのは、米国人のみならず、世界中から集まった向上心溢れる人々であるということだ。いままでは、最先端のアメリカといっても、高度な教育を受けた米国人が築いたものと思っており、どこか他人事のような印象があった。しかし、実習でお世話になった先生方は、日本・メキシコ・韓国・スペイン・イタリア・アルゼンチンと多国籍にわたっていた。世界に門戸を開く、オープンな雰囲気と手加減を許さない、程よい緊張感がとても居心地がよく、自分たちにも世界に出るチャンスがいくらでもあるということを実感できた。今後の医療人としての将来を考える上で、視野が広がったと思う。
 加えて、脳死移植についてだが、日本の生体肝移植に比べると、少々粗い印象を受けた。勿論、脳死臓器であるから、グラフトの血管は太く、求められる繊細さは格段に異なるだろう。しかし、術後の合併症や、それに伴う再移植の割合が多かったように思う。若干の脂肪肝や、HCV感染のグラフトまで移植されていたのにも驚いた。とはいえ、肝硬変で今にも命の途絶えそうな患者さんが、移植後に劇的に元気になるのを見ると、やはり感動を覚えた。中には、 涙を流す患者さんもいらっしゃった。
 脳死移植には、倫理的な問題もつきまとう。私自身、ドナーの心臓を止め、あらゆる臓器が怒濤のように摘出されていくのを初めて見たときは、何だか複雑な気持ちになった。脳死をどう考えるかは、個人の考えもあるだろうが、私は、実際に何例か見学して、今後日本でも広げていくべき医療だと感じた。死の間際の人の命を、健康な人の体を傷つけることなく回復させられるのは何にも代え難いと思う。
 最後に、今回の実習の準備からお世話をしてくださった、九州大学第二外科の先生方、アメリカで面倒をみてくださった全ての方々に感謝したい。素敵な機会を与えて頂き、本当にありがとうございました。


 
Cleveland Clinic での研修報告 
1MD06009Y 岩切光未 / 1MD06100K 山本玲央那
Cleveland Clinic
・1921年設立
・病床数1,000
・敷地内に80の施設
・オペ室75室
・全米病院ランキング
 第4位
 
Main lobby
グラウンドピアノもあり、ミニコンサートもしばしば行われていた。
Sky way
施設間を結ぶ渡り廊下。長すぎるため、患者さん用のカートが走っていた。

Café
健康に気を遣ってか、カロリー表示が行われていたり、
サラダバーが設置されていた。
しかし、カロリーを気にしていそうな人はいなかった。
 
 
研修内容
◎回診
・毎朝回診に参加
・フェローの回診は毎朝6〜7時開始
・スタッフの回診はカンファレンス後
 
◎朝カンファレンス
朝のカンファレンスにも出席
カンファ室にはベーグルやスタバのコーヒーがあり、飲食しながらのカンファレンス
 
◎手術場見学
XSサイズのスクラブ
スクラブは支給制
(そうしないと持ち帰る人がいるためとか。)
手術前で余裕の表情。この後寒さのあまり笑えなくなる。
肝移植、肝部分切除、小腸切除、脾摘、Roux en Y腸吻合等
 
BGMの音量、手洗いの仕方、オペ看の体格・年齢等、日本との違いが多数。
 
◎外来見学
・問診の雰囲気は日本よりフランクな印象。
・患者さんの待つ診察室へドクターが訪ねる形式。
 
◎小児外科・血管外科見学
・それぞれの診療科のレジデントにつき、回診や手術を見学。
・医学生がオペ中も日本での研修医並みの処置をしていた。
泡の手指消毒
 
番外編
@Niagara falls   ICHIRO@球場
    @Chicago
 
研修終了
・修了書とバッジを頂き、研修終了
 
3週間過ごした宿
 
病院まで毎日乗ったバス
RTA Health line
Euclid Ave.を走るバス。宿から病院まで15分ほど。バスの乗客は9割が黒人で、初日は緊張した。
バスの中では、大声で歌う人や香水を振りまく人などがおり、日本では考えられない様子であった。
バス停
道路の真ん中にバス停があるため、初日は逆向きのバスに乗りかけた。
バス停内にある機械で切符を買うシステム。
 
お世話になった方々