第47回 消化器・総合外科セミナーが開催されました
 

消化器・総合外科では、基礎と臨床の橋渡しとなる研究で ご活躍の先生に講師をお願いしてセミナーを行っています。 今回は、奈良県立医科大学医学部医学科生物学教室の 高橋昭久先生にご講演していただきました。

演題: 温熱による細胞死の基礎的研究
演者: 高橋 昭久 先生(奈良県立医科大学医学部医学科生物学教室)
座長 前原喜彦 先生(九州大学大学院医学研究院 消化器・総合外科)
日時: 平成21年11月9日(月) 午後7時より
場所: 南8階病棟カンファレンスルーム

[発表要旨]
ハイパーサーミアによるがん治療はがん組織を41-43℃程度に温めて、がん細胞だけを選択的に排除することを目的とした治療方法である。 通常、化学療法や放射線治療と併用されるが、温熱単独でも高い殺細胞効果が知られている。臨床研究と並行して、1970年以来、がんに対する 温熱の作用機構の基礎的研究が 進み、がんの治療法としてハイパーサーミア治療法は科学的にも優れた特徴が一層明らかになってきた。 しかしながら、温熱に対する細胞の生体応答の分子機構についてはまだまだ多くの不明な点が残されている。その一つとして、温熱による細胞死の原因については、再考の余地があると考えている。従来、温熱による細胞死の原因はタンパク質の熱変性と考えられてきた。最近、我々は新たな手法を用いて、DNA二本鎖切断(DSB)こそが細胞死の原因であってもよいのではないかという実験結果を発見した。ここでは、温熱による細胞死の原因について、従来のタンパク質変性を主因とする論拠を概説し、次にDSBが細胞死の主因とする論拠を紹介する。さらに、温熱によるDSB生成機構、温熱に対する適応応答機構について考察する。

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