第46回 消化器・総合外科セミナーが開催されました
 

消化器・総合外科では、基礎と臨床の橋渡しとなる研究でご活躍の先生に
講師をお願いしてセミナーを行っています。
今回は、米国Sloan Kettering Cancer Centerでの留学から帰国したばかりの
江頭明典先生をお招きし、DNA二本鎖切断修復機構に関してご講演いただきました。

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演題: DNA二本鎖切断修復機構におけるBRCA2とDSS1 タンパク質相互作用の解析
演者: 江頭 明典 先生(Sloan Kettering Cancer Center, 福岡東医療センター)
座長 前原喜彦 先生(九州大学大学院医学研究院 消化器・総合外科)
日時: 平成21年8月3日(月) 午後7時より
場所: 南8階病棟カンファレンスルーム

[発表要旨]
DNA二本鎖切断は放射線照射や架橋剤などにより生じる致命的なDNA損傷である。BRCA2遺伝子は遺伝性乳癌の原因遺伝子として同 定され、DNA二本鎖切断に対する相同組換え修復に必須である。380kDaと巨大なBRCA2タンパク質は、相同組換えにおいて中心的な役割を果たRAD51をはじめ、種々のタンパク質と結合することが示されている。一方、DSS1は10kDaに満たないタンパク質であり、BRCA2と結合しDNA修復に関与するとともに、プロテオソーム、mRNA輸送等にも関わることが報告されている。しかしながら、哺乳動物細胞において、DNA二本鎖切断修復機構におけるBRCA2とDSS1タンパク質相互作用の意義は明らかではない。今回、DSS1結合部位に変異を導入
したBRCA2の解析により、DSS1結合能を有さない変異BRCA2は、相同組換え能が低下している
こと、また、この変異タンパク質は本来の核ではなく細胞質に局在していることが示された。siRNAによるDSS1ノックダウンによっても、同 様に相同組換え能の低下が認められた。これらの結果から、DSS1がBRCA2に結合することにより、BRCA2の核への移行を制御し、損傷部位での組換え修復を促進すると考えられる。

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