クリーブランドクリニックでの実習を終えて No.6
 

「クリーブランドクリニックでの実習を終えて」
医学部6年 冨山 貴央

 2013年6月10日から7月2日までの3週間、アメリカのオハイオ州にあるクリーブランドクリニックに実習に行ってきましたので、そこで体験したことを少し、紹介させていただきます。
 クリーブランドクリニックでは、橋元先生や藤木先生について、肝臓移植と小腸移植のグループに入れていただき、たくさんの回診やカンファレス、外来に参加させていただきました。様々な日本との違いがある中で、戸惑うことも多かったのですが、中でも驚いたのが、回診を医師だけでなく、他の職業のスタッフのいるチームで回ることです。日本の医師だけで回るカンファレンスとは違い、医師に加えて、薬剤師やPhysician assistant、移植コーディネーター、看護師といった人たちと共に、患者さんの部屋に赴き、診察して、今後の治療法について話し合っていました。このような回診を行うことで、患者に関わる人がしっかりと情報を共有しあって、患者の診療にあたることができるのですごくいいシステムだと感じました。ですが、アメリカでは、日本のようにある1つの科が中心となって患者さんを管理し、その科では対処できない問題が生じたときに他科にコンサルトするのではなく、それぞれの科が、別々に患者の診療を行っていきます。中々上手く、連携がとれないこともあるようで、改めて日本の診療の良さにも気付く機会も多々ありました。今回の実習は、日本の医療を別の視点で見る、とてもいい機会になったと思います。
 また、今回、我々は機会に恵まれ、脳死ドナーの肝臓移植や小腸移植、脳死ドナーの分割肝臓移植など、様々な移植に立ち会うことができました。ドナーが発生すると、フェローの方々と飛行機に乗り、臓器を取りに向かい、現地では、他の臓器を取りに来た、様々な病院の方達に混ざり、手洗いをして助手として、お手伝いをさせていただきました。手伝いとしては、具体的には、サクションでの吸引や、ドナーの皮膚の縫合などを行いました。実際にレシピエントの人のためにできるだけ、早く臓器を届けようと、少しピリピリとした独特の雰囲気も味わうことができ、少し緊張する場面もありましたが、とてもいい経験をさせていただいたと思います。
 本当に、刺激的で、充実した3週間であり、将来的には、USMLEを取得して、一度、アメリカで働きたい気持ちが強くなりました。
 最後になりましたが、現地でお世話になった橋元先生を始めといたしましたスタッフの皆様と、今回の旅行の準備等、色々とお世話いただいた第2外科の先生方、本当にありがとうございました。これから、この経験を活かして、立派な医師になれるよう精進していきたいと思います。

 
>>Page TOP




クリーブランドクリニックでの実習を終えて
医学部6年 森永哲成

 九州大学医学部6年の森永と申します。私はこの度6月10日から7月2日までの約3週間、アメリカのクリーブランドクリニックでの実習に参加させていただきました。クリーブランドクリニックはアメリカ北部の五大湖エリー湖に面したオハイオ州クリーブランドにあり歴史のある非常に大きな病院で、アメリカの病院の中でも非常に優れた病院として有名な病院です。
 この3週間の実習では、第二外科の橋元先生の下で肝臓、小腸の移植を中心に様々な手術を見学させていただきました。アメリカは日本とは異なり、移植のドナーは脳死がほとんどを占めておりこの3週間の実習の間に7回もの脳死移植を見学することができ、ドナーの手術に同行させていただいただけでなく、ドナー手術やバックテーブルの助手を体験させていただきました。また脳死だけでなく心停止後ドナーからの肝移植や、一つの肝臓を二つに分け移植するスプリット移植、多臓器移植等、クリーブランドクリニックでも年に数例しかないような貴重な症例も見ることができ、大変勉強になりました。
 脳死移植では生体間移植とは異なりドナーの臓器へのダメージが大きく、移植後の管理が非常に重要な印象を受けました。またアメリカの医療の特長として医師だけでなく看護師やPA、移植コーディネーター、薬剤師、MSW等がチームをつくって回診や診察にあたっており、頻繁に行われる異職種間での議論やカンファレンス等から患者の情報を共有し治療にあたっている姿勢が、見学している私たちの目からも明らかでした。加えてスタッフも外国人が多く、日本をはじめとしてエジプトやアゼルバイジャン等、世界中から優秀な方々が集まってきている印象でした。
 休日はナイアガラの滝やニューヨークへ行き、大陸ならではのスケールの大きさに圧倒され感動しました。医学の勉強だけではなく、人生の中でも大変貴重な経験をさせて頂きました。将来的に留学を考えていた私にとっては、将来像がより明確になったような気がします。
 この実習が始まる前は、私にとって初めてのアメリカであることに加え、見知らぬ土地での実習ということもあり不安でいっぱいでしたが、現地では橋元先生をはじめとしたクリーブランドクリニック移植外科の皆様、日本では前原教授をはじめとした九州大学第二外科の皆様と数多くの方々に支えられ、このような貴重な経験をさせていただきました。この場をお借りして、このような機会を設けてくださったことに心より御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 
>>Page TOP





◎Cleveland Clinicとは…
   
所在地: アメリカ北部オハイオ州のクリーブランド
広さ: 167エーカー(東京ドーム約14.5個分)
病床数: 1440床
   


◎実習内容
  • 脳死ドナー手術の助手(肝臓・小腸等)
  • ドナー臓器バックテーブルの助手
  • レシピエント手術の見学
  • その他腹部の手術の見学
  • 回診見学
  • 外来見学


◎ドナー(1)
  • 早朝・深夜に関わらずドナーは発生する。
  • 近郊の場合は車で、遠方の場合は病院の飛行機で取りに行く。
  • アメリカではOPO ( Organ Procurement Organization )という機関が存在し、ドナーが発生するとこの機関を中心に物事が進む。
  • DBDとDCDの2種類のドナーが存在。


◎ドナー(2)
  • 基本的には同じオハイオ州内のドナーは州内で利用。
  • 他の州で使われなかったドナーがあれば、他の州に呼ばれることもある。


◎一日の流れ
6:00 起床
7:00 回診に同行
8:00 カンファレンス
9:00 手術見学
12:00 昼食
13:00 外来見学
15:00 カンファレンス
17:00 帰宅


◎移植手術以外では…
  • 大腸癌肝転移の肝切除術
  • 上腸間膜動脈の血管内皮種切除術
  • 腹部瘢痕ヘルニア解除術
  • Roux-en Y術後の小腸閉塞部分の再建
  等を見学いたしました。


◎休日(1) ~Cedar Point~
  • クリーブランドから車で2時間ほどのところにある遊園地。
  • アトラクションの80%ほどがジェットコースター。


◎休日(2) ~Niagara Falls~
  • 五大湖のエリー湖とオンタリオ湖の境にある世界三大瀑布の一つにあげられる滝
  • アメリカ滝とカナダ滝の大きく2つの滝からなる。
  • 社会見学としてカジノにも行きました。
 
 


◎休日(3) ~New York~
  • バスで片道13時間、0泊3日の弾丸ツアー
  • 自由の女神やオフブロードウェイ、エンパイア—・ステイトビル、メトロポリタン美術館など、ニューヨークの名勝を満喫しました。
  • 友達もできました。
 


◎結語
  • 脳死臓器移植の現状を経験することができた。
  • 海外での実習を通じて、留学の必要性を実感した。
  • よく学び、よく遊び、本当に充実した3週間でした。


    橋元先生をはじめとした、クリーブランドクリニック移植外科の皆様と、このような機会を設けていただいた前原教授をはじめとした九州大学第二外科の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。
 
>>Page TOP