医学部6年生 Cleveland Clinic臨床実習を終えて No.5
 

Cleveland Clinic でのクラークシップ
1MD09101M 山家覚

2014年5月14日より5月30日までおよそ3週間、九州大学第二外科の御厚意で私は米国オハイオ州はクリーブランドにあるCleveland Clinic で実習する機会をいただきました。 そちらでご活躍されておられる九州大学第二外科出身の橋元宏治先生の下で先生のご専門である肝移植、小腸移植を中心に見学していました。その経験を少しでも伝えられたらと思い、拙いながらも筆を執らせていただきます。

Cleveland Clinicは病床数こそ九州大学病院とあまり変わらないものの、キャンパスの広大な敷地に臨床と基礎研究それぞれの建物が林立し、外科に関して言えば80を超える手術室をはじめとする設備など、1921年の開院当初は医師4人でスタートしたとは思えない、想像をはるかに超える規模でした。クリニックの名こそ冠していますが、実際は総合病院といった方がよりイメージが伝わるかと思います。
さらに病院スタッフの数、職種の多さには驚かされました。日本と比べて職種が細分化されており、それぞれが自分の専門をもって働いているといった印象をもちました。そのため、他職種との密に連携をとり、回診やカンファレンスを通じて患者さんの情報を共有し、その問題点や治療方針について議論を交わしていました。

全米有数の病院、ひいては世界有数の病院ということで日本のみならず世界中から優秀なスタッフ、様々な問題を抱えた患者さん、最高峰の医療を見にくる見学者(学生、医師ともに)が集まっており、特に移植チームは時折英語以外の言葉も飛び交い国際色豊かでした。患者さんとチームとの間の通訳役を買ってでたobserverの人もいました。

さて、肝移植は日本では生体肝移植が中心ではありますが、アメリカでは脳死ドナーからのものが圧倒的に多くなっています。連絡を受ければすぐさまスタッフや助手の先生、移植コーディネーターのチームで脳死の患者さんのいる病院に向かいます。全米でも屈指の移植件数を誇るCleveland Clinicとあって、いつどこから脳死の連絡がくるかわかりません。広い国土に対応するためクリニック専用の飛行機に乗って飛んでいくこともしばしばです。予定手術ではなく手術室の確保がなかなか難しいため、手術は夜中に始まることが殆どです。現場に到着し次第、別の病院から来られた心臓外科医の先生方とともにドナー臓器の摘出を速やかに行ったあと、そのままクリーブランドにとんぼ返りです。繊細かつ大胆に進められていく手術は圧巻の一言です。日本でも少しずつ増えてはいるものの、脳死移植はまだまだ十分に普及しているとは言えないのが現実です。どうしても健康な方にメスを入れざるを得ない生体移植に代わり今後脳死ドナーからの移植という選択肢を一人でも多くの患者さんが当たり前のように選べるようになることを望みます。

このように、日米の病院システムの違いを肌で感じ、その中に身を置いて働くことを疑似体験し、また医学の普遍性にも気付かされ、一方で休日には観光に出かけアメリカらしい街並みにも触れ、非常に充実した有意義な日々を送ることができました。

最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった九大第二外科の先生方、迎え入れてくださったCleveland Clinic肝移植チームの方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 
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Cleveland Clinicでの実習を振り返って
医学科6年 仁田原憲太

今回は6月13日から6月31日まで学外実習でCleveland ClinicのTransplant Surgery(移植外科)にてObserverとして九州大学第二外科出身の橋元先生のもとで実習を行ったので報告します。

Clevelandの町はオハイオ州の北東部でエリー湖に面しており、人口40万人程度の中規模の町でした。Cleveland Clinicは歴史的に心臓外科が有名で冠動脈造影や冠動脈バイパス術をはじめに行った病院として有名ですが、移植外科は現在のボスであるDr. Charles Miller氏になってとても力をつけた分野だそうです。(このような歴史は初日のオリエンテーションの際に教わりました。) Clinicの移植外科では肝移植が年間150例ほど行われ、また小腸移植も多数行われていました。実際に私のいた3週間弱の間に脳死肝移植が10件、小腸移植が3件見学することができました。

実習の内容ですが、朝は研修医について検査やカルテを読んだりして回診に備えました。朝9時ごろから始まる回診ではスタッフの医師のほかに看護師、薬剤師、栄養士などの多職種で行われているのが印象的でした。回診中はわからないことがあったら積極的に質問するように心がけていました。非常に基本的な質問にもかかわらずいやな顔ひとつせずに皆さん答えてくださったので大変勉強になりました。手術が入ってない日は午後からは外来を見学させていただきました。外来では肝移植後のフォローや移植前の検査をすることがほとんどで、移植後の患者さんがみなさん元気で笑顔だったのが印象に残りました。

このように実習の一日が過ぎていくのですが、手術が入るとそちらを優先して見学させていただきました。また脳死ドナーが発生してClinicのスタッフが臓器を取りに行く際に同行させていただく機会がありました。早朝4時過ぎに集合して病院の車で市外の空港まで向かい、そこで小型ジェット機に乗りドナーのもとに向かいました。二時間程度のフライトだったのですが意外と揺られずにぐっすりと眠っていました。普段はObserverは医療行為を行うことは許されていないので見学のみでしたが、ドナーに対しては大丈夫だったので積極的に縫合などはたどたどしいながらもやらせていただきました。そうこうしながら臓器を摘出してClinicに帰ってからレシピエントに臓器を植え込みます。このようないつ呼び出しが来るかもしれない、しかも長時間かかる移植を年中何十件件も行う移植外科の先生方には頭が下がる思い出いっぱいです。

このように平日は実習でしたが休日には実習がオフだったので、カナダとの国境に存在するナイアガラの滝や少し遠出してニューヨークの町まで出かけたりしてアメリカの観光地を回ることができました。アメリカに来るのは長らくなかったので久しぶりの”アメリカ”を懐かしみながら経験しました。

今回の実習は短い期間でしたが、脳死ドナーからの移植や外国での医療の実際を見ることができたので大変貴重な経験となりました。とくに日本とアメリカの医療の相違点や類似点を知ることができたのはよかったです。そして海外で活躍している日本人の先輩医師を見ながら実習することで刺激になりました。自分の将来の医師像を考える上でいいロールモデルになったと思います。
 
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Cleveland Clinic 実習を終えて
医学科6年 仁田原憲太・ 山家覚

 
   
◎実習の概要
期間: 5月14日〜5月30日(3週間)
場所: Cleveland Clinic
内容: Transplant SurgeryでのObservership
 
◎Cleveland Clinicの場所
2049 E 100th St, Cleveland, OH 44106, USA
 
◎Cleveland Clinicとは
規模: 病床数は九大と同じぐらい(約1200床)
外来患者数: 515万人(2013)
スタッフ医師: 3221人(2013)
研修医: 1793人(2013)
全従業員: 4万3千人(2013)
U.S. News &World Reportで全米4位

Cardiology & Heart Surgery: 世界1位

 
 
◎Transplant Surgery
肝臓以外にも小腸、膵臓、腎臓移植も行う。(腎移植はUrologyと共同なので今回は見学しなかった。)3週間の間に: 生体肝移植 3件、脳死肝移植 10件、脳死小腸移植 3件
 
◎実習の流れ
朝: バスで20分で到着、基本的に研修医(Resident)についてまわる
回診: 8時〜9時にスタート。昼ぐらいまで
外来: 手術のないときは昼から5時ぐらいまで
手術: 随時見学
カンファレンス: 随時
 
 
◎Round 回診
毎朝9時前後にスタート、昼前後に終了
スタッフ1人、レジデント1、2人、Pharmacist1人、栄養士1人、Physician Assitant1人など多職種が一緒に。
小児科、ICU、一般病棟を回る
 
◎Out patient clinic 外来
まずフェローとナースが診て、その後スタッフも一緒に診る
移植待ち、術直後、annual followなど様々
栄養士、Physician Assistantも一緒になって今後の計画を考える
 
◎Special Events: Donorの臓器を取りに
 

チーム: Dr2人(執刀医、助手)Coordinator1名
再灌流時間がある(Ex.肝臓:12h)
脳死のドナーが出ればすぐさま現地へ -救急車、ヘリ、飛行機などを駆使
 
◎Clevelandの町
   
人口約40万、周辺部も含めると200万人
 
◎午後9時の様子…

明るい

 
◎運動・筋トレ
 
健康的
運動すれば保険料割引!? -Clinicに併設。体力づくりも医師のつとめ?
 
◎Host Family
 
とても温かく迎えてくれました
 
◎なれない自炊
 
なんとかなる!
 
◎週末の過ごし方の一例
 
野球
オーケストラ
Rockn Roll Hall of Fame
Niagara Falls
散歩
パーティー
Festival
 
◎最後に
 
   
Clinicで色々とご指導くださった橋元先生や、準備を手配してくださった学生係の先生を含め、さまざまな先生方に大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
 
 
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