8代教授 森 正樹
森 正樹プロフィール
(昭和31年(1956)3月20日生)
 
昭和55年 (1980) 九州大学医学部卒業、同大学第二外科入局
昭和61年 (1986) 九州大学大学院修了
平成 3年 (1991) 米国ハーバード大学留学
平成 6年 (1994) 九州大学生体防御医学研究所・同付属病院外科 助教授
平成10年 (1998) 九州大学生体防御医学研究所・同付属病院外科 教授
平成20年 (2008) 大阪大学大学院医学系研究科消化器外科 教授
平成30年 (2018) 10月 九州大学大学院消化器・総合外科 教授
 

 
教授挨拶

平成30年10月1日付で消化器・総合外科学教授に就任しました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

私は昭和31年鹿児島県奄美大島生まれで、中学・高校を鹿児島市のラ・サール学園で過ごした後、昭和49年 (1974年) 九州大学医学部に入学しました。1980年に卒業後、当時井口潔先生が主宰していた九州大学第二外科に入局しました。外科修練の後、大学院に進み、病理学教室において遠城寺宗知教授、岩下明徳先生、恒吉正澄先生のご指導のもと、消化器癌の病理学的研究を行い、医学博士号を取得しました。その後、第二外科教室に戻り、外科医としての修練を積みました。1991年から米国ハーバード大学に留学し、消化器癌の悪性度に関する分子遺伝学的研究に従事しました。私の研究のバックグランドは病理学と分子生物学で、両者を駆使して研究を行ってきました。

帰国後は再び九州大学第二外科に戻り、杉町圭蔵教授の下で、外科医として診療に従事しました。当初は食道癌グループで診療にあたっていましたが、徐々に大腸癌症例が増えてきたため、急遽、それまで無かった大腸癌グループを創ることになり、私が初代のチーフに任命されました。その後は主に大腸癌の手術に従事するようになりましたが、食道癌や乳癌の手術にも数多く参加していました。その一方で深夜、週末には研究を継続しました。1994年に別府の九州大学生体防御医学研究所付属病院外科に異動しましたが、外科医と研究者の二束のわらじを履き続け、1998年に教授に就任しました。この頃、消化器癌の癌幹細胞研究を開始しました。癌幹細胞は癌の再発や抗癌剤耐性の元凶と考えらており、これを駆逐する術を見つけたいとの思いからです。後輩と一緒に研究を進め、いくつかの成果を挙げることができました。その結果、日本医師会医学賞、高松宮妃癌研究学術賞、佐川特別賞などを授与していただき、大変光栄に思っています。また、戦略的創造研究推進事業(CREST)、3期にわたる文部科学省基盤研究S、AMEDなど大型研究費を獲得することができ、そのおかげで教室の研究運営を順調に行うことができました。

2008年には縁あって大阪大学外科学の教授に選任され、土岐祐一郎 (どき ゆういちろう) 教授とともに旧第一外科講座と旧第二外科講座の発展的統合を行いました。外科学講座の統合は大変スムースに進み、良い意味での相乗効果が出ました。例えば全国的には外科医減少が叫ばれていますが、大阪大学は外科学教室としては、ここ数年全国最多の入局者数を維持し続けています。また、臨床の症例数の圧倒的増加、学会発表数の増加、論文数の増加、多数の教授輩出など、多くの良い結果を生みだすことができました。

私は現在62歳で定年まで2.5年です。私の教授就任はおそらくは過去最高齢での事と思いますが、その様な状況でも私を選任いただいた事の意味合いと重みは重々承知しています。私の任務はただ一つ、外科学教室の発展的統合を中村雅史教授と共に行い、もって九州大学の発展に繋げる礎を築くことです。九州大学では臨床・腫瘍外科 (第一外科) と消化器・総合外科 (第二外科) がそれぞれ100年以上の歴史を有し、お互いに切磋琢磨して発展してきました。そのおかげで両教室共に日本のみならず世界をリードする外科教室となっています。その一方で、同様の業務を二つに分かれて行うことの不利な点が目立つようにもなってきました。最近、世界の動向は大きく変わっています。例えば中国の主な病院では、1病院あたり九大病院の肝臓癌手術数の20倍の症例を手掛けています。他の臓器の癌でも同様です。さらに臨床試験の体制も整いつつあります。そうなると数年後には九大で10年かかってできる仕事が中国では1年で出来ることになります。主だった臨床試験のデータはほとんど中国発になる可能性が大です。その様な状況のもと九大内で外科教室が分かれたままでは、世界の中で九大は埋もれていくだけです。ここはお互いに手を取り合って、関連病院の協力を得ながら、世界に情報を発信する体制を作らなければなりません。患者さんに分かり易く、紹介医には信頼され、そして教室員には外科医になって良かったと思ってもらえるような新しい教室を、中村教授とともに創っていく所存です。同窓会の皆様、特に第一外科と第二外科の同門の皆様には、これからの若い外科医のために、そして九州大学の発展のために、是非ご指導とご支援をお願い申し上げます。

 
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