外科集学的治療学講座
 
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外科治療、放射線療法、薬物療法とそれに伴う指示療法も含めた集学的ながん治療・移植医療及びそれに随伴する免疫異常、感染症に関する教育・基礎研究・臨床研究を行い、外科治療成績の向上を目的とした講座です。
現在下記の研究課題に取り組んでいます。
 
1. 消化器癌におけるPD-1、PD-L1経路の治療への応用可能性について
  近年、免疫応答におけるT細胞応答、特に細胞傷害性CD8T細胞応答の疲弊化(Exhaustion)における責任分子(CD8T細胞応答の抑制因子)としてPD-1が注目され、抗PD-1抗体のブロックに対する抗体が作製され、慢性ウイルス感染及び腫瘍免疫に対する賦活化効果が期待され、現在臨床試験が進行中である。本研究では、消化器癌におけるPD-1及びそのリガンドであるPD-L1及びPD-L2の腫瘍内での発現細胞の同定と免疫応答における作用機序(特に腫瘍内微少環境に注目して)を解明する。
   
2. 選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤の臨床試験
  抗悪性腫瘍剤の治療を受ける患者にとって、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐(Chemotherapy Induced Nausea and Vomiting: CINV)は最も苦痛を感じる副作用の一つである。悪心・嘔吐が持続すると脱水、電解質異常や低栄養を引き起こす場合もあり、患者の身体的および精神的状態の悪化を招き、癌化学療法の継続に支障をきたすことも少なくない。CINVの予防あるいは症状の軽減は、がん患者のQOLおよび全身状態を維持し、がん治療を継続する上で極めて重要である。
現在、CINVに対する標準的な制吐療法として5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの2剤併用投与があるが、このような予防治療を行ってもなお多くの患者で急性(抗悪性腫瘍剤投与24時間以内)および遅発性(抗悪性腫瘍剤投与24時間以降)の悪心・嘔吐が発現する。特に、遅発性の悪心・嘔吐に対しては既存治療ではコントロールが不十分である。これらのことから、抗悪性腫瘍剤投与に伴う急性および遅発性の悪心・嘔吐の両方に対して、より効果的な治療法が求められていた。
最近、新規作用機序を持つ制吐剤として、ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗薬であるアプレピタント(商品名:イメンド(R)カプセル)が新たに上市され、急性の悪心・嘔吐のみならず、これまでの既存治療でコントロールが不十分であった遅発性の悪心・嘔吐に対しても有効性を示す薬剤として期待されている。 アプレピタントを用いた制吐療法での検討が比較的少ない消化器癌において、アプレピタント使用を考慮した制吐薬適正使用ガイドライン順守による急性期、遅発期の悪心・嘔吐の予防効果に対する有用性に関する臨床研究を行う。
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