1) 食道癌の特徴
 食道癌は高齢の男性に多い癌で、頸部よりも胸の中の食道に癌ができることが多いのです。進行すると周囲に広がっていき、気管、気管支、大動脈、心臓などの重要臓器を巻き込みます。
 また食道はリンパ流が豊富でリンパ節転移が多いのが特徴です。例えば、胸の中央にできた食道癌でも首やお腹に高頻度転移し、2/3の患者にリンパ節を認めます。
 さらに、食道癌は他の癌に比べ発育速度が早いといわれ、急速に増大します。
 そのため、癌の中でも、悪性度が高く、予後の悪い癌といわれてきました。しかし最近では、手術、放射線、抗癌剤などの治療法が改善され予後もかなり良くなってきてます。それでも、予後改善に最も重要なことは早期のうちに発見することです。

食道がんの特徴


2) 食道癌の症状
 食道は食物が通る臓器ですので通過障害により食べたときにつっかえる感じ、しみる感じがしたり、ひどくなると吐いたりします。また、周囲臓器に浸潤すると声がかすれたり、咳や血痰がでたりします。
 しかし、症状がでたときはすでに進行していることが多いのです。早期に発見するには、食道癌にかかりやすい人に、最も有用な検査を行うことが重要です。

食道がんの症状


3)早期発見のためには
 食道癌にかかりやすい人、つまりハイリスクグループとは、まず、60歳以上の男性、タバコを吸う人、お酒を多量にのむ人、喉頭癌や咽頭癌などの耳鼻科の癌にかかった人といわれています。また、食道癌や頭頸部癌の家族をもつ方です。
 私たちは、喫煙、飲酒と食道癌との関係について調べました。その結果、タバコも酒もともにのまない人を1とすると、喫煙指数が1000(例えば40本/日×25年間)以上のヘビースモーカーで、飲酒指数が100(例えば4合/日×25年間)以上の大酒飲みの方は食道癌に50倍もかかりやすいことがわかりました。
 早期発見のために最も有用な検査といえば、食道の内視鏡です。透視では、早期癌はしばしば発見しにくいものです。したがって、これらの危険因子をもつ方は、積極的に内視鏡検査を受けることをおすすめします。

喫煙、飲酒の相乗効果