肝臓病の患者さんの生存率は年々向上しています。肝臓そのものに対する治療成績の向上もさることながら、肝臓病に伴う合併症―門脈圧亢進症や、それに派生した食道静脈瘤、胃静脈瘤、脾機能亢進症―をうまくコントロールできるようになってきたことが大きな理由の一つです。一言でいえば、これらの合併症を総合的に診療するのが、われわれ脾門脈外科スタッフの仕事といえます。

  われわれは、日常の診療において外科的手技はもちろん、内科的、内視鏡的、放射線的手技を駆使しています。治療対象とする疾患も胆石症やITPなどを加え、大幅に守備範囲が拡がりました。この意味でまさに総合的な診療グループといえます。患者さんに優しい治療を目指す内視鏡外科にも精力的に取り組み、脾機能亢進症やITPに対する腹腔鏡下脾臓摘出術の症例数は全国でもトップクラスです。さらに、杉町圭蔵教授を班長とする厚生省特定疾患門脈血行異常症調査研究班には全国各地の研究者が参加し、バットキアリ症候群など門脈圧亢進症の原因となる特殊な病気を調査・研究しています。

 


(図1)北部九州は、全国でも肝疾患が最も多い地域です。このため、九州大学附属病院には、昔から肝臓病の患者さんが数多く受診されています。