| 平成11年入局 太田 光彦 | ||||
| New York University 留学 | ||||
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私は平成22年4月からアメリカ合衆国、ニューヨーク市にあるニューヨーク大学細胞生物学部門の Rifkin 研究室に留学しています。ニューヨーク大学は1831年創立の私立大学で、全米はもとより世界133カ国から4万人以上の学生が集まっています。Rifkin 研究室のあるMedical Centerはマンハッタンの1番街沿いの、東には East River 、西にはEmpire State ビル、北には国連本部を見ることができるところに位置しています(写真は East River からみた大学です)。またマンハッタンの中にはメモリアル・スローン・ケタリング癌センター、コロンビア大学、コーネル大学、マウントサイナイ医科大学、ロックフェラー大学など有名な研究機関があり、地下鉄を使って講演を聴講に行き議論することもできる非常に恵まれた環境にあります。
Rifkin 研究室は増殖因子・サイトカインの一つである TGF-β の生物学的機能の解明がテーマの一つです。 TGF-β は癌、炎症、線維化、自己免疫疾患、血管疾患など様々な疾患に関与することが知られており、ホメオスタシスにも欠かすことのできないものです。私はマウス発癌モデルを用いて発癌と炎症における TGF-β の役割について解析しています。研究室は Rifkin 教授を筆頭に8名の研究者と2名の学生で構成され、出身国はアメリカ、セルビア、フランス、アルゼンチンそして日本と国際色豊かです。英語力や専門分野の知識でつまずくこともありますが、そういった経験を含めて非常に刺激的な毎日です。またラボの私の席からはビルの谷間に沈む夕陽がとてもよく見えるので、晴れた日にはその夕陽の先にある日本そして日本から送り出してくれた方々のことを思い出し励みにしてやっています。 こちらに来て驚いたのは研究者の問題解決能力の高さでした。研究者はみなアメリカでの成功を目指すライバルなのですが、学生でもよく議論します。自分の直面する問題を解決する手段を多くの議論の中から得て次につなげていく。それは知識だけに留まらず、研究の手段として他の研究室の実験機器の利用も非常にスムーズですし、共同研究もまたしかりです。とてもオープンに知識と機器の相互活用がなされ、効率的に研究が進んでいる印象を持ちました。このことは教室の先輩も感じ留学記に書かれていたのですが、こちらに来てあらためて強く実感しました。 家族4人で渡米して3カ月、子供たちは毎日英語のシャワーを浴びながら、ものすごいスピードでアメリカの言葉、文化や習慣を吸収しています。休みの日はできるだけいろいろな所に出かけて家族で生のアメリカを楽しんでいます。 海外での生活はそれだけで刺激的で、日々自分が変わっていくのを感じます。ですが留学はそれだけではありません。目標を持ち、努力し、その先にあるものを手に入れてこそだと思います。今はまだ何も手に入れていませんが、帰国の時に私の手の中には何があるのでしょうか、プレッシャーでもあり楽しみでもあります。留学はこれから医学の世界で頑張ろうという皆さんの選択肢の一つとして十分価値のあるものだと今感じています。 |
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