血管グループ
消化器・総合外科(第二外科)血管グループは、我が国における血管外科領域のパイオニアの一つであり、臨床・研究面ともに活発な活動を行っています。

臨床面においては、動脈瘤と閉塞性動脈硬化症が手術症例の大部分を占めるようになっている。近年の動脈硬化性疾患の増加に伴うものと考えられるが、更に、虚血性心疾患や脳血管障害などの併存疾患の合併頻度や重症度が増し、全身的にはハイリスク患者が増加している。また、動脈硬化性病変は広範囲・末梢側へ及ぶので、複数のバイパス術や、より末梢側へのバイパスが必要な症例も増えている。すなわち、より複雑な血行再建を要する症例ほど全身的にはハイリスクであり、大動脈・腸骨動脈領域の病変に対しては、非解剖学的バイパスや血管内治療の併用による手術の低侵襲化を図るようにしている。また、閉塞範囲が広範囲に渡るため、足関節レベルへの遠位バイパスが必要な症例も増加している。動脈硬化が進行した閉塞性動脈硬化症症例には血行再建不能な症例もあり、このような症例に対して治療的血管新生療法が注目されている。教室においても、末梢血幹細胞移植による血管新生療法を既に行い、良好な結果を得ている。間もなく、血管新生因子であるFGF2遺伝子を搭載した組み替え型センダイウイルスベクターを用いた血管新生療法の臨床試験を開始した。

研究面においては、血管内膜肥厚の機序解明とその制御が主要な研究テーマであったが、血管新生療法を含めた再生医療に関する研究や動脈瘤の病因解明のための遺伝子解析などにも研究分野を広げている。遺伝子治療の基礎的研究に加え、低出力体外衝撃波を用いた血管新生療法、血管内皮前駆細胞に関する研究、人工血管の開発など他教室との協同で研究を行っている。

 ※九州大学臨床研究倫理審査委員会の承認を受けた研究について

舟橋 玲

舟橋 玲
臨床研究として、血行障害を有する透析患者さんに対する治療成績と生命予後に関する研究を続けていきます。基礎研究として、老化と血管平滑筋細胞の機能変化に関する研究を行います。

松本 拓也

松本 拓也
血行再建術後晩期閉塞の原因となる一酸化窒素(Nitric oxide)及び血管新生時に必要となるFGF-2(繊維芽細胞増殖因子)を中心に研究を進めております。色々な遺伝子導入法、ノックアウトマウスを駆使し分子生物学的に血行再建術後晩期閉塞及び血管新生のメカニズムの解析を進め、その結果を臨床にバックアップしております。特にFGF2遺伝子搭載センダイウイルスベクターを用いた血行再建困難な慢性重症虚血肢に対する血管新生遺伝子治療臨床研究を開始し良好な成績を収めております。

岩佐 憲臣

岩佐 憲臣
超音波等の低侵襲ツールを用いた血管壁への薬剤作用・遺伝子導入の研究を行っております。また血管内皮細胞への薬剤の影響の検討を行い、臨床への応用を目指します。

久良木亮一

久良木亮一
細胞周期関連遺伝子BubR1と動脈硬化の関連性について、BubR1低発現マウスを用いた解析を行っています。また各種血管病変における色素上皮由来因子(PEDF)の機能について研究を進めています。

森崎 浩一

森崎 浩一
静脈グラフトの内膜肥厚抑制、大動脈瘤モデルにおいて大動脈瘤の抑制効果について研究しています。何らかの形で臨床応用できるように頑張ります。
川久保 英介

川久保 英介
諸臓器の老化に関与するとされる細胞周期遺伝子BubR1およびBub1と、動脈硬化性病変や血管新生との関連について研究しています。また、臨床研究として、近年増加しつつあるステントグラフト内挿術の症例と従来の開腹手術の比較を、患者背景・治療成績等の観点から検討していきます。
岡留 淳

岡留 淳
平成23年度より血管グループの一員として研究を行います。基礎研究として、重症虚血肢血管新生における、血管支持細胞による支持療法を併用した血管内皮前駆細胞による細胞移植治療の可能性を検討いたします。加えて、動脈硬化巣における細胞周期関連蛋白BubR1の機能解析を行い、臨床研究としては、鼠径部以下バイパス手術と血管内治療の長期成績を比較検討していきます。





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