呼吸器研究グループ
呼吸器外科研究グループは、気管支・肺、縦隔、胸壁の外科的疾患を対象とした臨床・教育・研究を行っています。
新しい治療の開発のため、現在以下のテーマについて精力的に臨床研究を進めています。


1) 非小細胞肺がんの進展における上皮間葉系転換機構の関与
肺がんが発生した後、がん細胞は浸潤・転移に関する悪性形質を次第に獲得していきます。この過程における上皮間葉系転換機構の関与を解明し、新しい治療薬の開発を目指していきます。

2) 非喫煙者に発生する肺がんの特性
非喫煙者の非小細胞肺がんは近年増加し、2000年代の手術症例の約30%は非喫煙者です(図1)。非喫煙者の非小細胞肺がんは、喫煙関連の'通常の'肺癌とは臨床病理学的特徴が異なり、今後臨床研究や治療の面で区別して扱われるべきであることが示唆されています(図2)。
現在、非喫煙者の非小細胞肺がんの特性および病因を分子生物学的に解明中です。
3) 悪性胸部腫瘍(肺がん、胸膜中皮腫)に対する免疫遺伝子治療の開発
進行肺がんに対する治療成績はいまだ不良であり、新しい治療法の開発が望まれます。一方で、社会問題になっているアスベスト曝露による悪性胸膜中皮腫の発生は今後爆発的な増加が予想され、たとえ早期に発見されても治癒可能な標準治療が確立されておらず、早急に新たな治療法の開発が望まれる所です。
そのような状況の中で、今後もっとも期待される治療法は遺伝子治療であることより平成20年度より新たに遺伝子治療の開発に着手いたしました。

 ※九州大学臨床研究倫理審査委員会の承認を受けた研究について

 
矢野 篤次郎

矢野 篤次郎
肺癌をはじめとする悪性腫瘍の集学的治療の多施設共同試験に参加するとともに、先端医工学部門と連携しバーチャルイメージ画像を応用した低侵襲手術の開発に取り組んでいます。また、発癌のメカニズムの解明による予防治療や遺伝子治療の開発、さらには肺再生という大きなテーマのもと研究全体を総括しています。
丸山 理一郎

丸山 理一郎
癌などの病気では細胞のDNAにメチル化が起こっていることが多いことが知られていますが、メチル化が起こると、腫瘍を抑えるためのタンパク質ができなくなると考えられています。米国留学中の研究テーマであったこのメチル化をはじめとした分子生物学的手法を用いて、肺癌の発癌や進展のメカニズムを解明することにより、新しい治療法の開発を目指しています。
鹿田 康紀

鹿田 康紀
肺癌切除後に多くの方が再発、多臓器へ転移しています。腫瘍が増殖する際に必ず必要な血管新生、転移・進展時に見られる上皮間葉系転換機構(Epithelial-Mesenchymal Transition:EMT)に着目し研究を行い、肺癌を制御できる日を目指して研究を行いたいと思います。
亀山 敏文

亀山 敏文
非小細胞肺癌における増殖活性を糖代謝の観点から研究を行sっており、Type2Hexokinase(HK2)遺伝子発現が、予後と相関することが明らかになりました。臨床に活用できるように研究を進めたいと思います。
岡崎 寛士

岡崎 寛士
腫瘍免疫に関する研究を行っています。肺癌とその周囲の環境、特に免疫細胞であるTリンパ球(調節性Tリンパ球)との関係に関する研究を始めとして、医化学分野にても、生理活性物質であるロイコトリエンB4受容体(BLT1、BLT2)の転移性肺癌における意義について、ノックアウトマウスを用いて研究しております。いつの日か、患者様の役に立つようにと、日々研究に勤しんでいます。
波呂 祥

波呂 祥
個体発生に関与する遺伝子(Nodal、Lefty1、Lefty2など)の発現およびその調節機構の研究を行ってきました。さらに、これらの基礎研究をもとに、肺癌や肺線維症などの発症メカニズムとその治療の開発につなげたいと思います。
伊藤 謙作

伊藤 謙作
非喫煙肺癌の分子生物学的特性に関する研究、胸腺腫における浸潤と血管新生に関する研究、肺癌における悪性度とDNA酸化傷害、酸化ストレスとの相関に関する研究を行っています。
研究の成果が世に役立つ日を夢見て精進していきます。
諸富 洋介

諸富 洋介
臨床的研究として胸膜中皮腫に対する遺伝子治療について研究を行っています。少しでも早く臨床にフィードバックし、一人でも多くの方のお役にたてるように努力していきたいと思います。
吉田 月久

吉田 月久
昨年度より研究が始まり、肺癌・胸膜中皮腫に対する研究を主に行っていきます。臨床に還元できる研究結果が出せるように精進していきます。


庄司 文裕 (特任助教)
主として臨床検体を用いた研究により、腺癌におけるEGFR変異の生物学的意識、肺癌進展における上皮・間葉転換機構について研究しています。早く臨床へフィードバックできるよう心がけております。



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